杭 州 师 范 大 学 2019 年招收攻读硕士研究生考试题
考试科目代码: 719 考试科目名称: 综合日语 |
说明:考生答题时一律写在答题纸上,否则漏批责任自负。 |
問題1 次の文の下線をつけた言葉は、どれに当たるか、それぞれのA、B、C、Dから一番適当をものをーつ選びをさい。(1点×20=20点) 1、彼の息子は本当に不精者で、寝てばかりいる。彼はそのため困っているのだ。 A ふしょうしゃ B ふしょうもの C ぶしょうしゃ D ぶしょうもの 2、あの二人は相性が悪く、けんかばかりする。 A あいせい B あいしょう C そうせい D そうしょう 3、警察は犯人の行方を必死に探している。 A ゆくかた B ゆきかた C ゆきえ D ゆくえ 4、スポーツをして新陳代謝を活発にしようとする。 A しんじんたいしゃ B しんちんたいしゃ C しんじんだいしゃ D しんちんだいしゃ 5、その美術館には現代の息吹がみなぎる作品がいっぱいある。 A そくすい B そくふき C いきぶき D いぶき 6、貴方が描いた私の似顔絵。「うまく描いてね」って言ったのに、いつもちっとも似てないの。 A にがんえ B にがおえ C じがんえ D じがおえ 7、どんな問題が起きても、柔軟かつ迅速にことをおさめるので、彼を崇拝している部下も多い。 A じゅうけつ B じゅけつ C じゅうなん D じゅなん 8、こんな重要なことは、社長に直訴せざるをえない。 A ちょくそ B ちょっそ C じきそ D じかそ 9、この不幸な歴史は国民に大きな災禍をもたらした。 A さいか B さいが C わざわい D ざいが 10、これは先代の作品とは雲泥の差がある。 A くもどろ B くもい C うんてい D うんでい 11、手術の結果が懸念される。 A けれん B けんれん C けねん D けんねん 12、この夏休み、大学のゼミの先輩である山田に強引に誘われて彼らのダイビングツアーに参加することになった。 A ごういん B ごうびき C きょういん D きょうひき 13、彼はスポーツ万能で、その実力に匹敵する人物はない。 A ひきてき B ひってき C ひきちゃく D ひっちゃく 14、来日した親善使節のメンバーは、穏やかで善良な人たちだった。 A せんろう B ぜんろう C せんりょう D ぜんりょう 15、このおもちゃは手軽なプレゼントとして人気がある。 A てかる B てけい C てがる D てげい 16、アメリカのビザの申請は却下された。 A きゃっか B きゃくか C きゃくした D きした 17、その時彼は、人々の魂を救済することが自分の使命だと悟った。 A きゅうせい B ぐせい C ぐざい D きゅうさい 18、弁護士と話し合った結果、控訴することにした。 A かうそ B こうそ C そうそ D くうそ 19、仕事で神経を使いすぎるせいか、最近、肩が凝って仕方がない。 A こって B こらして C けむって D きたえて 20、競争率10倍の難関を潜り抜けて、ついに○○大学に合格した。 A くくり B くぐり C ぐくり D ぐぐり
問題2 ( )に入れるのに最もよいものを一つ選びなさい。(1点×20=20点) 1、並木道の奥に、境内というものもなく、( )小さな神社が立つ。 A ひっそりと B くっきりと C ずらりと D ほっこりと 2、ちょっと油断をした( )財布を取られた。 A ものの B わりに C ばかりに D くせに 3、偶然( )、100点はなかなかとれない。 A にもまして B にあたっても C にいたって D にしたって 4、子供の教育にこれと( )決まった方法や明確な答えはない。 A いった B いう C いわず D おわん 5、今日の試合は多くのファンに注目されている。勝敗( )、代表選手として恥ずかしくない姿を見てもらいたい。 A もさることながら B をものともせずに C にいたっても D とあいまって 6、彼は有能な( )出世が遅いと言われている。 A わりに B うえに C ところで D ものを 7、草木も色づき、だいぶ春( )来ましたね。 A こめて B あって C おいて D めいて 8、あの社長は、不況に負けてなる( )と頑張って、何とか会社を再興した。 A もの B ものの C ものか D ものだ 9、10年間当選し続けている市長( )、市民からの信頼は大変なものだ。 A だけあって B にとって C からして D というもの 10、そういうご心配に( )、まことに恐縮でございます。 A もらっては B あずかりましては C なさっては D なっては 11、久しぶりの大型連休と( )、観光地はどこも大変な人出だ。 A あって B して C あいまって D いって 12、この不景気でこの夏のボーナスはせいぜい40万( )。それでももらえるだけましだ。 A というほどだ B といったところだ C というまでだ D といったことだ 13、隣のビルで仕事が始まった。こんなにうるさくては、( )。 A 集中したくてもしかねる B 集中できようがない C 集中しようにもできない D 集中するにたえない 14、1年に1回( )、2、3年に1回は海外旅行をしたいものだ。 A とは言わないまでも B とは言わないほども C とは言うまでもないが D とは言うにおよばず 15、今日は祝日で道が( )から、早めに家を出よう。 A 込まないといえども B 込まないにしても C 込まないものでもない D 込まないとも限らない 16、日本企業が数多く進出しているので、外国( )日本にいるのと変わらない生活ができる。 A なりに B とはいえ C たりとも D にかわって 17、ご来店、誠にありがとうございます。本日は5時半( )閉店させていただきます。 A において B にして C をもちまして D を限りに 18、様々な教育方法を議論している教育者たち( )最良の方法はわかっていないようだ。 A とて B くせに C やら D ぬきに 19、あなたがどこへ( )、私はついていきます。 A 行くものなら B 行くとしても C 行こうか D 行こうと 20、被害件数が100件を超える( )、ようやく警察も事件として扱うことにした。 A にいたって B にあたって C からして D わけで 問題3 の言葉に意味が最も近いものを一つ選びなさい。(1点×10=10点) 1、あの部屋の壁にはおびただしい書物が並んでいる。 A とても多い B とても古い C とても汚い D とても貴重 2、職場環境の是正が必要だ。 A 改正 B 改良 C 改善 D 改定 3、あなた、もう少し身なりに気を遣ったら? A 体型 B 服装 C 生活 D 持ち物 4、この仕事、彼にとってはたやすいと思うよ。 A 楽しい B 簡単だ C 難しい D つまらない 5、彼の一言でその場の雰囲気が台無しになってしまった。 A だめ B 陰気 C なごやか D おごそか 6、少しの時間もおしんで研究に没頭する。 A 休まないで B 大切にして C 続けて D 疲れないで 7、彼は近頃十分儲けたので、肩で風を切る勢いだ。 A 積極的な態度を見せる B 遠ざかる態度を見せる C 得意な態度を見せる D あやしい態度を見せる 8、彼女が、目もあやな恋物語を濃厚な筆で描き出した。 A まばゆいほどに立派な B まばゆいほどに悲しい C めざましい D おもむきあり、奥ゆかしい 9、オリンピックを前に、競技会場や周辺のホテルの建設に拍車がかかっている。 A 物事の細かいところにまで注意が行き届く B 警戒態勢を厳しくする C 物事の進行に油断せず力を尽くす D 物事の進み方がさらに速くなる 10、彼は気が置かない人ですよ。 A あれこれと気をひかれるものが多い B 軽視してはいけない C いつも些細な事を気にする D 気づかいしなくてよい
問題4 次の文の ★ に入る最もよいものを一つ選びなさい。(1点×10=10点) 1、二度と同じ ★ 心がけたい。 A ことが B あやまちを C ないよう D 繰り返す 2、開発は地域住民の ★ べきではない。 A まま B 理解を C 進める D 得ない 3、創立100周年 ★ しようと検討中だ。 A 一新 B 社員の C を機に D 制服を 4、相手の ★ しかない。 A 誠実な態度を B 信頼を C 示す D 取り戻すには 5、ゲームに ★ を忘れてしまった。 A 約束の時間 B 熱中する C あまり D つい 6、深夜帰宅する ★ はない。 A.にこした B こと C 警戒する D 際には 7、採用試験の結果は、採用者 ★ いたします。 A はがきを B お知らせ C もって D のみに 8、最近雑誌で話題の ★ 守り続けている。 A 昔 B 味を C ながらの D 和菓子屋は 9、あの首相は、諸外国に対して ★ 、辞職した。 A まじき B 言う C 言ってしまい D ことを 10、現代の若者は幼い ★ 生活している。 A 情報に B ころから C 囲まれて D さまざまな
問題5 ( )に入れるのに最もよいものを一つ選びなさい。(2点×5=10点) 1、「人となることは難きを」の現代語訳は( )だ。 A 人となることは難しいので B 人と生まれることは難しいのに C 人と付き合うことは難しいので D 人として成長することは難しいのに 2、「わが待たぬ都市は来ぬれど、冬草のかれにし人はおとずれもせず」の下線部の「来ぬれど」の現代語訳は( )だ。 A 来てしまったので B 来てしまったが C 来なかったので D 来なかったが 3、「子となりたまふべき人なめり」の現代語訳は( )だ。 A 私の子になる人であるようだ B 私の子におなりになる人であるようだ C 私の子におなりになるはずの人であると見える D 私の子におなりになるべき人であると見える 4、「露と答へて消えなましものを」の下線部の「消えなましものを」の現代語訳は( )だ。 A 消えてしまうはずではない B 消えてしまうだろう C 消えてしまうかしら D 消えてしまえばよかったのに 5、「船にのりなむとす」の現代語訳は( )だ。 A ようやく船に乗ることになる B いよいよ船に乗ろうとする C いよいよ船に乗ることにする D とうとう船に乗らないことにする
問題6 次の各文の内容を最もよく表しているものをそれぞれA.B.C.Dの中から一つ選びなさい。(2点×5 =10点) 1、 私は朝顔をこれまで、それほど、美しい花とは思っていなかった。一つは朝寝坊で、咲いたばか りの花を見る機会が少なかったためで、多く見たのは、日に照らされ、形のくずれた朝顔で、その弱々しい感じからも私はこの花をあまり好きになれなかった。ところが、この夏、夜明けに覚めて、開いたばかりの朝顔を見るようになると、私はその水々しい感じを非常に美しいと思うようになった。朝顔の花の生命は一時間か二時間といっていいだろう。私は朝顔の花の水々しい美しさに気づいた時、なぜか、不意に自分の少年時代を思い浮かべた。あとで考えたことだが、これは少年時代、すでにこの水々しさは知っていて、それほどに思わず、老年になって、初めて、それを大変美しく感じたのだろうと思った。 (志賀直哉『朝顔』による) A. 少年時代も朝顔の花は水々しい美しさをもっていたが、老年になってはじめてそれに気づいた。 B. 少年時代も朝顔の花の水々しい間も短いから、その美しさに気づかなかった。 C. 少年時代には若さが美しいものだと思わなかったが、年取って初めて若さが愛おしく思えた。 D. 老年になって、花の水々しい間も人の少年時代も短いから、大切にするべきだと思った。
2、 幸福感は、収入が多いほど大きいものでもないらしい。米国で調査をしたら、日々の幸せを感じ る度合いは年収7万5千ドル(620万円)ほどで頭打ちになるとの結果が出たという。プリンストン大のカーネマン名誉教授らが45万人を電話調査した。ノーベル経済学賞の受賞者である教授は「高い年収で満足は買えるが、幸せは買えない」と結論づけたそうだ。幸せ者とは、小さな喜びを十分に味わえる人、ということになろうか。 (朝日新聞『天声人語』による) A. 収入が一定額に上がるまで、日々感じる幸福感が高まっていく。 B. 年収が7万5千ドルを超えると、幸福感は高いと言えなくなる。 C. 収入が多いほど幸福感が大きいのではないから、高収入を望まないほうが良い。 D. 調査によると、生活の満足感も幸福感も収入が多いほど大きいとは限らない。
3、 日本の自然のすべては、どの時代の誰かと何か特別なかかわりあいをもっており、どことなく人 間のにおいがする。どんな深い山にも人が創った小道があり、人の歩いた跡がうかがわれる。日本の自然の中に注ぎ込まれた先人の汗と知恵と情の量は計り知れない アメリカの友人が、京都の古い名園を見て、その中の人為性に驚いていた。確かに日本の庭園には隅の隅まで人間の働きかけがゆきとどいている。しかし、素材を生かす創作が働いても、素材を超越する人工ではない。日本人の美意識では、人間の働きかけに自然さが尊ばれる。人間の作意が素材の中に溶け込んでいる自然でなければ、よしとされない。 (広中平祐『青年の翼』による) A. アメリカの友人は京都の古い名園に人工的な部分が多すぎて驚いた。 B. 人間の作意が溶け込んでいる日本の自然は、人為の加わっていない自然より美しい。 C. 日本では人間のにおいがしない自然は、よしとされない。 D. 日本の自然美は自然と人間が和合されているものである。
4、 「俺は男だ。男にそんな女々しいことができるか」とは主人の口癖。とにかく料理はまったくで きないし、好き嫌いは多いし、掃除は腰痛のためできない。私が「弱い女に高いところや力のいる仕事をさせるの?」といえば、「もう男じゃなく老人と見てくれ」なんて変わり身の早さにも腹が立つ。 ある夜「私、先に寝るから、お休み」といっても返事が返ってこない。「お休みくらい言ったら?」という私に返ってきた言葉が「言わん」と一言。たった一字増やして 「お休み」といってくれれば、聞く耳にも優しく響くのに。友人に愚痴をこばすと「可愛いじゃない。駄々っ子みたいで」と言われた。そうか、主人と思うから腹が立つんだと目からうろこが落ちた。これからは大きな駄々っ子の母として強く生きていかなくては、と思う半面、もう年だからいつまで大きな子供の母が務まるだろうかと不安にもなる。どうか成長してくださいね、駄々っ子さん。 (『きのうきょう』産経新聞朝刊による) A. 筆者は年をとっていくが、夫は子供のようなので面倒が見られるかどうかが不安である。 B. 筆者は年をとっていくが、子供はだんだん大きくなるので面倒が見られないと思っている。 C. 筆者は年をとった夫を、甘えてわがままを言う大きな子供として扱うことにした D. 筆者も年をとっていくが、友人の子供が駄々っ子で面倒が見られるかどうか不安である。
5、 38年ぶりに首位交代。そのニュースにホウと思い、しばらくしてアレッと感じた。敬老の日を 前に、毎年厚生労働省が人口10万人あたりの100歳以上のお年寄りの数を都道府県ごとに発表する。今年は常勝の沖繩をおしのけ、島根が74.37人でトップだった。 メディアによっては島根を「長寿県日本一」などと書いた。沖繩は去年に比べ人口が6干人増えた。島根は7千人減り、その分お年寄りの割合が増えた。逆転の一因はそこにある。長寿県といえば住民が長生きできるとの意味だろうが、この数字、例えば若者が県を離れて人口が減っても上がる。喜ばしいことではなかろうに。そう言いたくもなる。 「数字と結論との間ですりかえが行われていないか注意する」。統計を読む知恵を説いたロングセラー「統計でウソをつく法」にこうある。 (日経新聞『春秋』による) A. 作者は沖縄を 「長寿県日本一」とする見方に納得している。 B. 作者は島根を 「長寿県日本一」とする発表に納得していない。 C. 沖繩は去年に比べ人口が6千人増えた分、お年寄りの割合が減った。 D. 島根は100歳以上のお年寄りの人数が増えた。
問題7 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。(2点× 20 =40点) (一) 人々は、どうして忙しく働き回り、モノを大きく早く動かすのでしょう。世の中の動きに①引きずり回されて、自分が失われてしまっていることにも気付かされます。他人と同じように考え、流されていては気づかない、大切なものが見えてくるようになります。 例えば、停留所でバスをいらいらしながら待っているのと、歩き出して歩いてしまうのと、どちらが早く、どちらがエネルギー消費が少なくて、どちらが気持ちいいかと考えて見ましょう。停留所の三つや四つだったら、場所にもよりますが一般的には歩いたほうが早い。天気がよければ気持ちもいいですね。ウィンドウ・ショッピングをしたり、道端の草花を愛でたりしながら歩けるのです。バスをいらいらしながら待つよりそのほうがよっぽど楽しい。足腰を使うことによって老化も防げます。にもかかわらず、私たちはバスを待ちます。愚かなようだけれども、バスを待ちます。バスだけじゃなく、エレベーターもそうです。 どうしてなのでしょうか。私は10階くらいまではなるべく階段を歩くことにしています。エレベーターを使うということは、疲れることが多いから体力を節約しようという考えもあるかもしれませんが、②それが問題なんです。要は習慣の問題です。階段を歩いて上がるという習慣を持っていれば、階段を上がることは苦にならない。10階以上となると、③その建物自体がそもそも非人間的な建物なんですから、そのシステムを認めて、そのシステムと付き合っている以上、エレベーターに乗らざるを得ないでしよう。階段は日常的に利用するものではなく、しばしば「非常口」と表示されているように、特別の場合のためのものとなっています。慣れぬビルだと右往左往、困ることが少なくありません。ビルの構造にも社会の考え方が反映されているので何ともなりませんが、いらいらしてみても仕方がありません。 5階や6階だったら④決意一つです。私の今までの経験から言うと、誰かと一緒に行って、私だけが歩く。5階くらいまでだったら、私のほうが先に着くか、あるいはちょっと遅れるか、そんなに違わないものです。4階だったらエレベーターで行くよりは確実に階段のほうが早いです。 たしかに、階段を4階も5階も上がればしんどいです。でも⑤しんどいというのは、決して嫌なだけではないです。しんどいことと辛いことは同じではない。体調の優れぬ病気のときはもちろん、睡眠不足や過労のときなど階段はしんどいというより辛いものです。そんな時は私も無理はしないで、エスカレーターやエレベーターを使います。しかし私は、しんどいというのは幸せの条件だと思います。いやだいやだと思うから楽しくないだけなのです。強制されてではなく、自分で階段のほうを選んでいるから、楽しいし、幸せな気分にもなれるのです。それに私の場合は、鉄の箱に詰め込まれてエレベーターで上がる空間に身を置くよりは、階段を上がるときの方が、まだしもいい。閉じ込められているという感覚は⑥窮屈です。階段のほうが楽だし、自由です。狭い鉄の箱の中に一人閉じ込められているのは気持ちの良いものではありません。もし大地震が起こったらなどと考えなくても、なんとなく不安なものです。 エネルギー問題がどうのこうのというのを、数学だけで議論していたら、⑦肩もこりますし、➇話が変な方向に行ってしまうんではないか。数字なんてどうでもなるし、そもそもその数字は、私たちのいまの生き方を変えない場合で考えた、数字です。それよりも、人間にとってどちらが開放的であり、どちらがより幸せなのか。⑨私が大切にしたいと思うのはそこです。 バスを待たないで、道を歩くのは、 「ねばならぬ」からではなくて、ちょっとした距離だったら歩くほうが楽しいから歩こうではないかと思うからです。意識の持ちようというか、選択の問題です。もちろん限度はあります。東京と大阪を行き来するなんて言うのは、できないことです。毎週のように東京と大阪を行き来する人が新幹線を使わずに在来線で動くというのも無理な話です。これはその人の状況が新幹線に乗ることを強いるのです。だから、その人の状況とは無関係に、これはできる、あれはできると言ってもしようがない。ですが、主体的生き方、なんでも自分で考え直してから、選び直す生き方というものはできます。現実の状況を現実として認めた上で、いまできることについて、⑩主体的生き方、自主的選択を大切にするうちに、いつか自分をとりまく状況も変わってくるものです。考えもせず漠然と流されていたのでは現実も見えないし状況も変わらぬものだと思います。 (槌田劭 『地球のこわさない生き方の本』による一部改変)
1、①「引きずり回わされて」の意味として適当なものを次の中から選びなさい。 A. 引っ張られてあちこち行く。 B. 追随を余儀なくされる。 C. 引つ張られて円周運動する。 D. 引きずって、あちらこちらと動かされる。
2、②「それが問題なんです」の「それ」は何を指してるか。最もふさわしいものを次から選びなさい。 A. エレベーターを使うと階段を歩くより早いと思うこと B. エレベーターを使う方がエネルギー消費が少ないと思うこと C. エレベーターを使うことで、疲れることが多いから体力を節約しようと思うこと D. エレベーターを使うことで、気持ちよく上がろうと思うこと
3、③「その建物自体がそもそも非人間的な建物なんですから」とあるが、「非人間的な建物」とはどのような建物のことか。最もふさわしいものを次の中から選びなさい。 A. 歩いて上ることを許さない建物 B. 階段を歩いて上ることができる建物 C. エレベーターが設置されていない建物 D. 体力を節約できない建物
4、④「決意一つ」にある「一つ」はどんな意味を表しているのか。 A. 決意以外に何もいらない。 B. どうか決意するように。 C. ちょっと決意するだけでよい。 D. 一回だけ決意してよい。
5、⑤「しんどいというのは、決して嫌なだけではないです。しんどいことと辛いことは同じではない」とあるが、 「しんどさ」に対する筆者の理解はどんなものか。最もふさわしいものを次の中から選びなさい。 A. 人は体の具合が良い時に無理をすると、しんどさを感じる。 B. 人は心地好い時に無理をすると、しんどさを感じる。 C. 体調が悪い時や不愉快な時に無理をして感じるのはしんどさではない。 D. 体調の良さと心地良さはしんどいことの条件である。
6、⑥「窮屈」の意味として適当なものを次の中から選びなさい。 A. 空間にゆとりがなく、自由に動けない。 B. 思うようにふるまえず気詰まりであること。 C. 形式張って堅苦しいこと。 D. 物や金が不足してままならない
7、⑦「肩がこります」の意味として最も適切なものを次から選びなさい。 A. 肩の筋肉が張ってかたくなる。 B. つまらなく感じて嫌になる。 C. 重圧を感じて気詰まりである。 D. 肩に力が入る。
8、➇「話が変な方向に行ってしまう」とありますが、本文ではどうなることを意味する か。最も適当なものを次の中から選びなさい。 A. 数字をいじることによって満足感を得る。 B. エネルギー節約という本来の意図から外れてしまう。 C. 数字を改竄して目標を達成したように見せかける。 D. 議論を展開していく方向を変えてしまう。
9、⑨「私が大切にしたいと思うのはそこです」にある「そこ」は何を指しているのか。最も適当なものを次の中から選びなさい。 A. 人間にとってどちらが開放的で幸せなのかという問題 B. 数学を使って客観的に議論すること C. 私たちの生き方を変えるべきかどうかという問題 D. エネルギー問題をどのように議論するかという問題
10、⑩「主体的生き方、自主的選択を大切にするうちに、いつか自分をとりまく状況も変わってくる」とあるが、どう変わってくるというか。最も適当なものを次の中から選びなさい。 A. 気づかなかった大切なものが見えてくる。 B. 自分で考え直してから、選び直すといった生き方ができるようになる。 C. 「ねばならぬ」からではなくて、楽しいほうを選択できる。 D. より開放的でより幸せになれる。
(二) 何が苦手って、プレゼント選びが苦手である。人に何かを贈るという行為には、確実に才能が関係していると思う。①ピアノやサッカーに必要とされる、あの特殊な能力である。そして私には贈りものの才能がない。もちろん、友人たちはそういう面ではみな、子供のころからすでに大人であるから、なにかもらって「こんなの欲しくない!」などと言うことはなく、 「わあ、嬉しい」と言ってはくれる。言ってはくれるが、な―んとなく、才能というのは自分で分かるものである。 「この人は喜んでくれているが、しかし、なんか失敗した」と、直感のようなところで分かる。 他人を見ていても、贈り物の才能があるかないかは、なんとなく分かる。高校生のころの友人に、贈りものの名人の子がいた。この子のプレゼントはいつでも②突拍子なく、新鮮で、もらったほうも、まったく期待していなかったが、まさに前からそれが欲しかったかのような、うっとりした気持ちになる。ちなみに私は高校二年生の誕生日、この子にフラフープをもらった。 「えっ、フラフープ?」と思ったものの、私たちは休み時間にそのフラフープをとりあって遊び、私は人一倍練習して、誰よりもうまくなった。今でもきっと、うまくまわせると思う。ちょっとした自慢である。 センスのいい人というのは、贈り物に才がなくとも、そのセンスで補うことができる。センスのいい女友達からもらう食器やアクセサリー、文房具や生活雑貨はいつだってありがたい。私はぬいぐるみの類が苦手だが、それでもセンスのある子がくれたものは、やっぱりかわいくて、③後生大事に飾ってしまう。 どうやら私には、贈り物の才能も、またセンスもない、と薄々感じたのは二十代入ってからで、三十歳が近くなるころには、その才能やセンスをなんとかすることを諦めた。諦めて、「何が欲しい?」と直接訊くようになった。④プレゼントリクエスト制、というのは実に楽しんで、お互い大変助かる。 友人にも、恋人にも、誕生日やクリスマスごとに「何が欲しい?」と私は訊く。彼もみな訊いてくれるようになる。すると、贈り贈られる品々というのは、ホットカーラーであったり、プレイステーション2であったり、定期入れであったり、キッチンタイマーであったりと、まったく色気のないものばかりになるのだが、実にありがたい。贈る側として才能のなさに打ちひしがれることはないし、また贈られる側としても、欲しいものが手に入る喜びがある。 私の台所は、人にリクエストして頂戴したもので満ちている。バターいれ、キッチンスケール、フライパン、包丁、パン切り包丁、フードプロセッサー、圧力鍋、ワインオープナー。みな、買うときに念入りに選んでくれたのだろう、どれもお洒落で丈夫で、使いやすくて長持ちしている。使うとき、いつも決まってそれをくれた人の顔がちらりと浮かぶ。毎度毎度深々と感謝して使っているわけではないが、ありがたいことよ、と心の中でかすかに思う。 先だって、友人の誕生日に、サプライズパーティーをやることになった。本人には教えず、こっそりパーティーの準備をし、そこに本人を呼ぶのである。本人に内緒なので、「プレゼントはなにが欲しい?」とは訊けない。このところ、⑤リクエスト制ですっかり甘やかされている私は大変に困った。一週間も前から、プレゼントは何にすべきか迷いはじめた。 無難なのは消えものだろう。ワインとか、チョコレートとか。でもせっかくのサプライズパーティーなのに、⑥無難なのもどうか。⑦そもそも贈り物の才能がない人間は、無難に頼るところがいけない。無難なものほどつまらなく、かつ記憶に残らないものはないのだ。誕生日を迎える彼女は料理好きだから、風変わりな調味料セットというのはどうか。でも風変わりすぎて使えなきゃしようがない。食器もいい、彼女の家には素敵な漆の食器セットがあった、あれに合わせた皿はどうか。でも、食器は好き嫌いがあるからなあ。 自分でわざわざ買わないが、しかしあればあったで便利なもの。迷惑でないもの、場所をとらず、使ってもらえるもの。私は日夜考え続け、ときに「高級茶漬けセット」や「自分では買いそうにないデザインの下着」へと➇素っ頓狂なほうへ向かう思考を呼び戻し、時間が空けばデパートや雑貨屋に赴き、彼女の顔を思い浮かべてはあれでもない、これでもない、と呟き続けた。 プレゼントを用意できないまま、ついにサプライズパーティー当日がやってきてしまつた。その日一時間ほど空いたので、さっそく繁華街に出、デパートのアクセサリー売り場から食料品売り場からうろつきまわり、悩みに悩んだあげく、「これを彼女が身につけなくてだれが身につける!」と思うほど、彼女の雰囲気にぴったりの(ように思える)エプロンを選んだ。買えたときはほっとした。 さてそして、パーティー会場と向かいながら、私は考えたのである。こんなふうに誰かのことを懸命に、考えたのはずいぶん久しぶりであるなあ。誰かに何かを贈るって、本来物品のやりとりではなくて、私があれやこれやと、その人の顔を思い浮かべながら過ごした一週間そのものをこっそり贈るってことなんだろうなあ。贈られる側というより、贈る側にとって、よりゆたかな行為なのかもしれない。 才能がないとはいえ、⑨人に何かを贈るということの贅沢を、ときには、こうして味わってもいいんじゃないか。そんなことを考えながら、パーティー会場へと急いだ。 (角田光代『贈ることの贅沢』による) 11、①「ピアノやサッカーに必要とされる、あの特殊な能力」とあるが、どのような「能力」のことか。最もふさわしいものを次から選びなさい。 A. 整えられ恵まれた環境 B. 努力に裏付けられた技能 C. 上達しようという意欲 D. 生まれ持ってのセンス
12、②「突拍子ない」の意味として最もふさわしいものを次から選びなさい。 A. その場の雰囲気と調和しない。 B. 普通でない。 C. 調子が乱れる。 D. 勢いに乗れぬい。
13、③の「後生大事」の意味として最も適切なものを次から選びなさい。 A. 死んでから後も大切に祭ること B. 弟や妹のために大切に扱うこと C. 子供が生まれる時まで大切に保管すること D. ものを非常に大切にすること
14、④「プレゼントリクエスト制、というのは実に楽しんで、お互い大変助かる」とあるが、その理由として最もふさわしいものを次から選びなさい。 A. リクエストして手に入ったものが、どれもお洒落で丈夫で、使いやすくて長持ちしているから。 B. 贈る側は才能のなさに意気消沈しなくてすみ、贈られる側は欲しいものが手に入る喜びがあるから。 C. 使うときいつも決まってそれをくれた人の顔が浮かぶから。 D. 使うときいつも決まってありがたいことよ、と心の中でかすかに思うから。
15、⑤「リクエスト制ですっかり甘やかされている」とはどのようなことを言っているか。最も適切なものを次から選びなさい。 A. 贈る側が贈られる側のことを懸命に考え悩むべきところを相手に聞くことによって済ませてきたこと B. 贈る側が自分の思い通りに欲しいものを楽に手に入れることができること C. 贈る側が贈られる側のことを考えて欲しいものをプレセントすること D. 贈られる側のわがままを全て受け入れるために送る側が悩み苦しむこと 16、⑥「無難なのもどうか」の意味として適当なものを次の中から選びなさい。 A. 難しく考えないほうが良いと思う。 B. 難しいけれどもよく考えたほうが良いと思う。 C. 当たり障りのない平凡なものでは良くないと思う。 D. 当たり障りのない平凡なもので良いかどうか分からない。
17、⑦「そもそも贈り物の才能がない人間は、無難に頼るところがいけない」にある 「そもそも」の意味として最も適切なものを次から選びなさい。 A. ともとも B. いったい C. だいたい D. まことに
18、➇「素っ頓狂」の意味として適当なものを次の中から選びなさい。 A. 調子はずれでまがぬけていること B. 偏っていてユニークなこと C. 楽しくてユーモアあふれること D. 度が過ぎて笑いですまされないこと
19、⑨「人に何かを贈るということの贅沢を、ときには、こうして味わってもいい」とありますが、なぜ「贅沢」と言えるか。説明として最も適当なものを次の中から選びなさい。 A. 贈る物品自体よりも、受取る人への思いは計り知れないから。 B. 贈られる側より、贈る側にとって、よりゆたかな行為であるから。 C. 余裕がないと人に何かを贈れないから。 D. 受取る人のことを懸命に考え、時間とエネルギーをたっぷり使っているから。
20.本文の内容に合致するものを選び、記号で答えなさい。 A. 筆者は何かを贈るということの贅沢さは、どれぐらい長く深く考えて選んだかを相手にいかに伝えるかによって決まると感じている。 B. 筆者は贈り物の才能もセンスもないと感じていたが、プレゼントリクエスト制によって簡単に決められることができた。 C. 筆者は贈り物を贈るという行為の中に、もののやりとりよりも尊いものがあると気づいたことを伝えようとしている。 D. 筆者はプレゼント選びが苦手であるのは、直感が当たらないからだとしている。
問題8、次の要領で解答用紙に作文をしなさい。(30点) 題 目:私にとっての幸せ 注意事項:1.文体は、手紙文を除いて一律常体にすること。 2.文章は、450字以上、500字以内におさめること。 (句読点も一字とする。もし450字未満、または500字をオーバーした場合は減点になる。) 3.作文用紙には本文だけを書き、題目は書かないこと。 |